味いちもんめ
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味いちもんめ(4)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
岩田は、「藤村」でもベテランの仲居。盛り付けの間違いや料理の味の善し悪しなど、すぐに見抜いてしまうので、花板の熊野からも一目置かれていた。だが、口の悪い伊橋は、その個性的な風貌を“オコゼ”にそっくりなどと陰でからかっていた。ある日、ボクシングの日本チャンピオン・辻本が「藤村」を訪れる。辻本は、試合当日の昼食は、岩田の細やかな気配りで落ち着ける「藤村」ですると決めているのだ。しかし、今回は減量に失敗して体調を崩していた。これを見て取った岩田は、特別に「おぼろ梅」を用意させる。この一品が辻本の食欲を呼び起こし、減量の失敗で危ぶまれた防衛戦に勝つことができた。確かに岩田の風貌は、虎魚(おこぜ)同様いかついが、その中身も虎魚(おこぜ)同様、逸品の「藤村」の名物仲居であったのだ。
楽天で買う味いちもんめ(5)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
ある日、伊橋は板場の食事用としてキンピラを大量に作った。その日、見るからにヤクザと分かる2人組の客が来る。“アイツらにはこれで充分”と考えた伊橋は、昼に作ったキンピラを先付けとして出すが、弟分のヤクザは大喜びだった。その夜、伊橋は暴走族に因縁をつけられるが、さっきのチンピラに救われる。数日後、あのチンピラが伊橋を訪ね、近々、鉄砲玉として対立する組長を殺すことになったと話す。そして、「死ぬ前にもう一度あのキンピラが食べたい」と頼まれた伊橋は、今度は心を込めてキンピラを作る。結局、チンピラは組長を殺すことができず、足を洗って故郷に帰る決意をする。すべては、「藤村」で食べた伊橋のキンピラの味が、母親の味に似ていたのがきっかけだった。
楽天で買う味いちもんめ(6)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
伊橋の兄の学が、前々から付き合っていた女性の上原みどりと結婚することになった。その披露宴の料理を兄から頼まれた伊橋は、ふたつ返事で引き受ける。素材の魚は、新婦の弟・太一が届けるとのこと。披露宴当日、太一の運転するトラックによって三陸から立派な鯛が運ばれて来る。無事、大役を終えた太一だったが、披露宴に出席する様子がない。昔、グレていた時に姉に迷惑をかけたことを気にしていたのだ。披露宴への出席をためらう太一の姿に、自分と家族の関係を重ね見た伊橋は、静かに教え諭して披露宴会場に送り出す。しかし、当の伊橋は、父親と絶縁関係にあるため披露宴に出席できず、会場の外で兄夫婦の門出を祝うしかなかった……
楽天で買う味いちもんめ(8)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
休日に親子三人で遊びに行き、楽しく過ごした坂巻。坂巻は、楽しかったものの子供を持つと行き先は限られるとも感じていた。そして、その休日明けの「藤村」に、小さな子供を連れた予約客がやって来た。しかし、その小さな子供が、走り回るは大声は出すはで、熊野も困ってしまう。他の客に迷惑になるので仕方なく店を出ていこうとしたその客に、坂巻が声をかけた。すると、今日が「結婚記念日」なので、親子でせめて年に1回くらい本当に美味しいものを食べようと思って「藤村」を予約したのだという。これを聞いた坂巻は、その小さな子供のために特製の「お子様ランチ」を作るのだ
楽天で買う味いちもんめ(10)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
今年も蟹の美味しい季節となり、「藤村」の板場にも日本各地で獲れた立派な蟹が届けられた。伊橋達が下拵えで忙しく働くなか、その中の蟹が一匹がなくなった。板場を見渡してみると、いつの間にかに入ってきた野良猫がくわえているではないか! すぐに猫を追い払ったが、その後も「藤村」の被害は続いた。そこで、伊橋はその“独眼龍”と呼ばれるタチの悪い猫を退治しようとするのだが……
楽天で買う味いちもんめ(11)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
鬼怒川温泉のホテル「酔心館」は老舗だが、現在は板前の質が悪く、宿の評判は悪くなるばかり。とうとう、その女将が友人である「藤村」の女将に助けを求めてきた。そこで、伊橋がその助人として選ばれ、その板場に入る。想像以上にひどい板場の状態を目のあたりにして、伊橋は頭を抱えてしまう。そして、百人ほどの宿泊客がいたある日。その夕食を準備する直前になって、板前達がいっせいに辞めてしまう非常事態が発生する
楽天で買う味いちもんめ(12)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
「藤村」の馴染みの客・松田が、味噌汁を三杯もお替わりした。塩分の取り過ぎだと心配する坂巻に、松田は「家では飲めないもんだから…」と言う。というのも、松田は結婚前に相手から「結婚しても仕事を続けたいので、料理にはあまり手をかけられない」と言われたのを承諾して結婚したからだ。今更、妻に朝食に味噌汁が飲みたいと言えないでいる松田に、伊橋が悪知恵をつけるのだが……
楽天で買う味いちもんめ(13)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
茅ケ崎にある兄の家に向かう電車の中で伊橋は、昔のサーフィン仲間・田村に出会う。これから後輩達にサーフィンを教えにいくところだという田村達に、伊橋は兄の家で夕食を振るまう約束して別れる。その夕食の用意をしていた伊橋の元に、田村が飛び込んで来た。サーフィンを教えていた後輩の女の子が沖に流されて、行方不明になってしまったというのだ。伊橋は、最近知り合った地元の青年漁師・ガッちゃんに船を出してくれるように頼むのだが……
楽天で買う味いちもんめ(14)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
「藤村」の社員旅行で出会ったのが縁となり、今は熊野の口利きで東京のレストランに入って修業しているコック志望の青年・孝夫。その孝夫から伊橋は、故郷へ帰ろうかと思っていると打ち明けられた。理由は、新潟で一人で暮らしているバアちゃんが軽い脳溢血で倒れたのが心配なためだという。これを聞いた伊橋は「それでは、逆にバアちゃんを東京に呼べばいいのではないか」と提案。さっそく、伊橋はボンさんを連れて孝夫と3人で、バアちゃんを説得しに新潟の出かけるのだが……
楽天で買う味いちもんめ(15)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
熊野の一人娘・エミには、今結婚を考えている相手がいる。しかし、熊野はその相手にどうしても会ってくれない。何とか父親を説得して欲しいと相談された伊橋だが名案が浮かばない。相談を受けた数日後。伊橋は「藤村」の常連・円鶴師匠に「嫁菜飯」を出したところ、他のに変えてくれと言われる。師匠は、「嫁菜」という名が辛い思い出を呼び起こすからだと話し始める。それは、東京大空襲で亡くなった優しい姉の思い出だった。その姉の夢が、キレイなお嫁さんになることだったので、「嫁」という言葉を聞くと、反射的に死んだ姉のことを思い出して辛いのだと打ち明ける。自分に娘ができたら結婚する時は、その姉の分まで祝ってやろうと考えていた円鶴だが、皮肉にも娘はできなかった。だから、今では幼馴染みの熊野の一人娘のエミが嫁に行く時を楽しみにしているのだという。この円鶴の話を聞いた熊野は、エミが結婚を考える相手と会う決意をする
楽天で買う味いちもんめ(16)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
香里とのデートで入った寿司屋で不愉快な思いをした伊橋。その翌日、伊橋が“寿司職人は板前と比べると一段下だっていうけど、まったくだね”などと言っているのを聞いた熊野は、伊橋を銀座のある寿司屋に連れて行く。その店に一歩足を踏み入れた瞬間、伊橋は昨日不愉快な思いをした寿司屋とはまったく違う「何か」を感じる……
楽天で買う味いちもんめ(17)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
師走のある日、「登美幸」で毎年恒例の煤払いの日がやって来た。全従業員が一日がかりで大掃除をする一年を締めくくる大切な日でもある。その大切な日に寝坊した伊橋は、早速女将から大目玉を食う。しかい、掃除の心構えを女将に教えられ、伊橋は張り切って掃除に取り組んでいた。その矢先、「登美幸」でも一番価値のある襖を、伊橋と一緒に運んでいた藤田が落として襖絵を破ってしまった。狩野派の筆になる、時価五百万円ともいわれる襖絵の下張りから大変なものが発見されて……
楽天で買う味いちもんめ(18)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
京都の大金持ちで世捨て人のような生活を送る、宗重老と知り合いになった伊橋。不思議な魅力を持つこの老人に伊橋は、自分が働く「登美幸」に“一度、来てください”と誘う。少々、偏屈な宗重老は“行ってもいいが、不味かったら金は払わんぞ”と言う。そして数日後、約束通りに宗重老が「登美幸」に現われるが……
楽天で買う味いちもんめ(19)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
体力の衰えを理由に、引退を決意した銀座「柳亭」の花板・田辺。引退にあたって田辺は、自分の後釜に弟弟子の熊野を考えているらしい。銀座「柳亭」といえば、数ある名料亭の中でも一流中の一流として知られる所。田辺の跡を継いで、その花板に誰がなるのかと料理界全体が注目していた。当然、京都で修業中の伊橋の耳にもこの噂が入ってきた。熊野を慕っている伊橋は、その去就が心配でたまらない。折よく京都に来ていた、熊野の幼馴染みの円鶴師匠に会った伊橋は、熊野の最近の様子などを尋ねてみたが……
楽天で買う味いちもんめ(20)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
高校のクラス会に出席した伊橋には、気になることがあった。それは、東大ー大蔵省のエリート・コースを歩いているクラスの出世頭の平井の元気がなかったことだ。高校時代に仲が良かっただけに心配な伊橋は、美味しいものでも食べて元気を出してもらおうと、「藤村」に招待するが……
楽天で買う味いちもんめ(21)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
「藤村」の常連である“社長”は、今日のデザートが葛切と聞いて「実は…」と話し始めた。ある日、“社長”は、さる女性社長と、お茶を飲んで話すうちに、その言葉遣い、立ち居振る舞い、奥ゆかしさにすっかり魅了されてしまったと語る。その時のお茶受けに出されていたのが葛切だったという。この優雅な女性に対して、家の茶の間に寝そべって大判焼きを食べていた女房のガサツさを見て、腹が立ってケンカしてしまってから、まるで「葛切」と「大判焼き」の2つの食べ物が対照的であるように、あの女性と女房が対照的な存在に見えてしまう。そして、時には女房が疎ましくなることがあると“社長”は嘆くが……
楽天で買う味いちもんめ(22)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
12億円もの契約がかかった大事な接待の場所に「藤村」が選ばれた。接待の相手は、経営の神様と言われた大谷電機の元・社長の大谷総一郎。大谷は、どんな料亭で接待されても必ずカツ丼を注文するのだという。この情報を得た熊野は、煮方の伊橋にカツ丼作りを任せる。責任の重大さを感じた伊橋は、昔「藤村」の立板だったが、現在は定食屋を開いている横川にカツ丼作りのコツを教わりに行くのだが……
楽天で買う味いちもんめ(23)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
「煮物の味付けがおかしい。薄すぎる」と、ある客からクレームが来る。そんなハズはないと興奮気味の伊橋に、熊野はもう少し濃い目の味付けにしろ、と命ずる。「藤村」の味を守らなければいけないのでは、と不満気な伊橋に、熊野は「“藤村”の味を守ることは大事だが、少し譲歩すればすむことだったら、時には客の側に立つことも大事だ」と諭す。その翌日、機能の熊野の言葉が腑に落ちない伊橋は友達のガッちゃんに会いに茅ケ崎を訪れた。そこで、ある夫婦ゲンカに巻き込まれて……
楽天で買う味いちもんめ(24)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
「藤村」に新しく入った京子。仲居見習いとして、ベテランの仲居・岩田の指導のもと働いている京子だが、慣れないためか失敗も多い。下足番をしているときには特に失敗が多く、帰りの客の靴を岩田のように、間違えずに素早く出すことができない。自信を失いかけ、下足番なんて絶対にイヤ! と、グチをこぼされた伊橋は、自分の京都「登美幸」での経験を話して聞かせる
楽天で買う味いちもんめ(25)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
小つるの兄弟子にあたる鶴吉が師匠の円鶴から突然「(今後一年間)都内で落語を語るこたァ 一切許さねぇ!!」という“一年間の江戸払い”の宣告を受けてから一年。今日の高座がうまくいかなかったら、また“江戸払い”になってしまうのかも? と伊橋に相談する小つるは、兄弟子の鶴吉が心配でならない様子。しかし、円鶴師匠が鶴吉に課した苛酷な仕打ちにも弟子を大きく育てようとする深い考えがあったのだ
楽天で買う味いちもんめ(26)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
全国の競馬ファンが注目するビッグレース“日本ダービー”。その前夜、「藤村」に常連客の社長が桜肉を持って現われた。明日のダービーに勝つために縁起を担いで、みんなで桜肉を食べようというのだ。ところが、ボンさんだけが箸をつけようとしない。実は、ボンさんには桜肉にまつわる悲しい思い出があったのだ………
楽天で買う味いちもんめ(27)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
「藤村」と同名の料亭が東京・四谷にできた。店にとって同じ名をつけられるのも、あまり好ましい事ではないが、問題なのはこの店が本家「藤村」の評判を借りて商売に利用しているらしいということだった。ある日、伊橋は書店で偽「藤村」が掲載されている記事を見付けた。その説明には堂々と新宿「藤村」の姉妹店と紹介されていた。これに驚いた伊橋は、早速、四谷の偽「藤村」に抗議に飛んで行ったのだが………
楽天で買う味いちもんめ(28)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
今日も「藤村」に、常連の社長と円鶴師匠が来ていた。しかし、ここ2か月前からこの二人以上に「藤村」へ毎日のように通ってくる客がいた。しかも、若い女性。でも、特別酒が好きなようなようにも見えない。その女性がなぜ「藤村」に通ってくるのか気になる伊橋。どうやら、彼女は誰もいないマンションへ帰るのが寂しいようなのだ。常連が増えるのはありがたいことだが、寂しさを紛らわすために「藤村」で酒を飲んでいるこの女性のことが心配になってきた伊橋は、ある考えをひらめつく……
楽天で買う味いちもんめ(29)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
伊橋は、将来を嘱望される若手料理人の会・「研鑽会」で冬瓜料理をつくることになった。しかし本番前の予行演習で、大料亭の息子の立原らに仕組まれ冬瓜料理に失敗してしまう。腹を立てた伊橋は、なんとか本番では立原に勝とうと練習を重ねるのだが……
楽天で買う味いちもんめ(30)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
暮れも押し迫り、忘年会シーズンで「藤村」も大忙し。そんなある日、近くの高校の教師達が「藤村」を訪れた。「生徒の学力だけを判断基準にせず、個性の尊重を大切にした教育をしよう」と熱弁をふるう教頭先生の言葉に感動する伊橋。しかし、その教頭先生に杉板焼きスダチ添えを出すと、「焼魚にはカボスが一番だ」と文句を付け始めた。「あいにくカボスは切らしている」と言っても「何とかしろ」と教頭先生は引かない。それを見ていた親父さんは…
楽天で買う味いちもんめ(31)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
回転寿司が大流行のこの頃、でも伊橋は「あんなものは寿司屋じゃない」と言ってはばからない。そんなある日、「藤村」に天プラばかりを注文し、何を話し掛けても「放っておいてくれ」という客が現れる。そのお客に文句を言う伊橋を、親父さんは食事に誘う。でも親父さんが伊橋を連れて行ったのは、回転寿司屋だった! その目的は…
楽天で買う味いちもんめ(32)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
伊橋のもとに、京都の料亭「花家」に勤める清から電話がかかってくる。なにやら切羽詰まった様子で、“「花家」を辞めることになるかもしれない”と言う。追い回し時代、一緒に修業をしたこともある清の言葉に、伊橋はすぐ京都へ向かうのだが……
楽天で買う味いちもんめ(33)
あべ善太
発売日 2013年08月08日
“藤村”に、ある田舎ホテルから助っ人の依頼が舞いこみ、伊橋と東がでかけることになった。そのホテルに着いた伊橋は、料理の献立を見てビックリ! 刺身、ステーキ、酢豚など、和洋中ごちゃまぜだったのだ。「バラエティーに富んでいるほうが客受けがいいから」というのがその理由なのだが、伊橋はどうも気にくわない。結局、洋食と中華を東が、和食は伊橋が担当することになる。気が進まないながらも手を抜かず料理する伊橋だったが、お客さんの反応はイマイチで……
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